【美人局・恐喝】キャバクラ・ラウンジで知り合った女性との写真で脅された場合の対処法と弁護士による解決事例

男女問題に強い弁護士

キャバクラやラウンジで知り合った女性とプライベートで会ったところ、ホテルや密室で写真を撮られ、「妻に写真を見せる」「不貞の証拠として妻に謝罪させる」などと脅されて金銭を要求される——いわゆる「美人局(つつもたせ)」の被害が後を絶ちません。

被害者の多くは、「自分にも非がある」「妻や家族にバレたくない」という心理から、泣き寝入りして金銭を支払ってしまいます。しかし、このような行為は刑法上の恐喝罪や脅迫罪に該当する可能性が高く、被害者が一方的に責められるべきものではありません。

弁護士が代理人として介入すれば、相手方との直接の連絡を遮断し、ご家族に知られることなく問題を解決できる可能性があります。 スマートフォンが鳴るたびに怯える日々を終わらせるために、まずはこの記事で全体像を把握してください。

本記事では、美人局被害の典型的な手口と法的な問題点を整理し、弁護士に依頼した場合の解決方法について解説します。

目次

1. 美人局(つつもたせ)の典型的な手口

よくあるパターン

美人局の手口にはいくつかの典型的なパターンがありますが、近年多く見られるのが以下のような流れです。

キャバクラ、ラウンジ、ガールズバー等のナイトワーク店舗で親しくなった女性から、「プライベートで会いたい」「お店の外で食事しましょう」などと誘われます。実際に会い、ホテルや個室などで二人きりになった際に、被害者に無断で写真や動画を撮影されます。

後日、女性本人または「交際相手」「夫」を名乗る男性から連絡が来て、「この写真を奥さんに見せる」「不貞行為の証拠として妻に謝罪してもらう」「誠意を見せろ(=金を払え)」などと要求されます。

被害者が陥りやすい心理

被害者側にも「妻がいるのに女性と会った」という負い目があるため、以下のような心理に陥りがちです。

「自分が悪いのだから仕方がない」という罪悪感。「お金を払えば終わるなら、それで済ませたい」という短絡的な判断。そして何より「妻や家族に絶対に知られたくない」という恐怖です。

しかし、一度支払うと要求はエスカレートします。 「もう連絡しない」と約束されても、数ヶ月後に再び連絡が来て追加の金銭を要求されるケースは非常に多いのが実情です。

2. 美人局は「犯罪」である——法的な整理

「浮ついた気持ちがあった自分が悪い」「警察や弁護士に頼る資格はない」と自分を責めていませんか?

法律上、「不倫の弱み」と「金銭の脅し」はまったく別の問題です。仮に被害者側に不貞行為に該当する事実があったとしても、それを材料にして金銭を脅し取る行為が正当化されることはありません。弱みに付け込んで金銭を要求する行為は、れっきとした犯罪であり、あなたが一方的に屈する必要はないのです。

恐喝罪(刑法第249条)

「写真を妻に見せる」「職場にバラす」と告げて金銭を要求する行為は、恐喝罪に該当する可能性があります。法定刑は10年以下の懲役です。

たとえ被害者に不貞行為があったとしても、それを材料に金銭を要求することは正当な権利行使とはいえません。

脅迫罪(刑法第222条)

金銭の要求がなくても、「写真をばらまく」「妻に連絡する」といった害悪の告知(「あなたに不利益なことをする」と伝えること)自体が脅迫罪に該当し得ます。法定刑は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

不貞行為の「証拠」としての写真について

相手方が「不貞の証拠だ」と主張して写真を示すことがありますが、そもそも美人局のケースでは、女性側が最初から金銭目的で接近しているため、通常の不貞慰謝料請求の場面とは本質的に異なります。また、仮に不貞慰謝料の問題が生じる場合であっても、その解決方法は正規の法的手続(交渉・調停・裁判)によるべきであり、恐喝的な手段で金銭を取得することが許されるわけではありません。

【注目】美人局に関連する裁判例

ここでは、美人局が実際にどのように裁判で判断されているのか、2つの異なる視点からの裁判例をご紹介します。

① 美人局が「犯罪」として処罰された事例(大阪地裁 令和7年1月10日判決)

マッチングアプリで知り合った女性と性交した男性に対し、共犯者らが「俺の妹に何してくれてるねん。未成年やぞ」「警察に行くか、俺らに金払うか、どっちや」などと因縁を付け、現金を脅し取ろうとした事件です。このケースでは、犯行グループが警棒を見せて威嚇するなど、被害者の反抗を抑圧するような脅迫行為が行われました。
裁判所は、被告人の行為を恐喝未遂罪と認定し、懲役8か月の実刑判決を下しています。
このように、たとえ男女の関係があったとしても、それを口実に金銭を要求したり脅迫したりする行為は、厳しく処罰されるべき「犯罪」です。

② 「美人局だ」という主張が認められず、慰謝料が認められた事例(東京地裁 令和4年10月14日判決)

一方で、不貞行為をしてしまった側が「これは美人局(罠)だ」と主張しても、証拠がなければ認められないケースもあります。
この事案では、妻と不貞行為に及んだ男性が、妻の夫から慰謝料を請求されました。男性側は「夫と妻が意を通じた上で自分と性交渉をさせ、金銭を得ようとした美人局である」と主張し、責任を回避しようとしました。
しかし裁判所は、夫が不信感を抱いて尾行した経緯に不自然な点がないことや、夫婦が結託した証拠がないことを理由に、男性側の主張を退けました。
結果として、男性には110万円(慰謝料100万円+弁護士費用10万円)の支払いが命じられました。

POINT
自身のケースが「犯罪的な美人局」なのか、「正当な慰謝料請求」なのかを冷静に判断するのは困難です。「罠にはめられた」という思い込みだけで強気な対応をすると、かえって事態が悪化し、裁判で不利になるリスクもあります。まずは弁護士に客観的な状況を相談することが重要です。

3. 被害に遭った場合に絶対にやってはいけないこと

要求どおりに金銭を支払う

前述のとおり、一度支払うと「この人は払う人だ」と認識され、際限なく要求がエスカレートします。最初は数十万円でも、次は百万円、さらにその次はというように金額が上がっていくのが典型的なパターンです。

相手と直接交渉する

感情的になって「訴えるぞ」「警察に行くぞ」と言ってしまうと、相手を刺激して写真をばらまかれる危険があります。また、やり取りの中で不用意な発言をすると、それを逆手に取られることもあります。

証拠を消す

相手からのLINEやメール、電話の着信履歴、振込記録などは、後の法的対応で極めて重要な証拠になります。「恥ずかしいから」と消してしまうと、弁護士が動く際の武器がなくなります。すべてスクリーンショットで保存してください。

4. 弁護士に依頼するとどうなるか

内容証明郵便による警告

弁護士が代理人として、相手方に対し内容証明郵便を送付します。内容証明郵便には、相手方の行為が恐喝罪・脅迫罪に該当し得ること、今後一切の接触・連絡を禁止すること、違反した場合には刑事告訴を行う旨を明確に記載します。

弁護士名義の内容証明郵便が届くと、相手方は「法的に対応される」と認識し、それ以上の接触を諦めるケースが多いのが実情です。

弁護士が窓口になることの意味

依頼後は、相手方との連絡はすべて弁護士を通じて行います。つまり、相手方が被害者本人に直接連絡してくることを防げます。「妻に連絡する」という脅しに対しても、弁護士から「そのような行為は犯罪に該当する」と警告することで、実行を抑止する効果があります。

ご家族や職場に知られるリスクを最小限に抑えられる点が、弁護士に依頼する最大のメリットです。「バラされたくなければ払え」という脅しに対し、弁護士が法的制裁の可能性を明示することで、相手方の行動を抑止します。

刑事告訴の検討

相手方が内容証明郵便を受けてもなお脅迫を続ける場合は、警察への被害届提出や刑事告訴を検討します。恐喝罪は10年以下の懲役という重い犯罪であり、告訴の可能性を示すだけでも強い牽制効果があります。

5. 解決事例——内容証明1通で解決したケース

当事務所で実際に取り扱った事例をご紹介します(プライバシー保護のため、事案の本質を変えない範囲で一部改変しています)。

相談内容

ご相談者様(男性・会社員)は、ラウンジで知り合った女性とプライベートで会ったところ、ホテルで無断で写真を撮影されました。後日、女性の関係者を名乗る人物から連絡があり、「この写真を奥さんに見せて謝罪させる」「誠意を見せてほしい」と金銭を要求されました。ご相談者様は妻に知られることを極度に恐れ、一人で悩まれていましたが、要求金額がエスカレートしたことをきっかけに当事務所にご相談いただきました。

当事務所の対応

ご相談者様から経緯を詳細に聴取し、相手方とのやり取り(LINE等)を証拠として保全した上で、弁護士名義の内容証明郵便を送付しました。内容証明では、相手方の行為が恐喝罪に該当し得ること、今後の一切の接触禁止等を明記しました。

解決結果

内容証明郵便の送付後、相手方からの連絡は完全に途絶え、以後一切の接触はありません。交渉や裁判に至ることなく、内容証明1通で解決に至りました。

なぜ内容証明1通で解決するのか

美人局を仕掛ける側も、実は「警察沙汰になること」や「自分の実名が裁判記録に残ること」を最も恐れています。個人が「警察に行く」と言っても本気かどうか分かりませんが、弁護士が法律事務所の名義で「刑事告訴を行う」と通知すれば、それが現実の脅威であることを相手は理解します。「これ以上深追いすれば、自分が刑事責任を問われる」という判断から、多くのケースで相手方は即座に身を引きます。

弁護士コメント

美人局の被害者は「自分にも非がある」と考えてしまいがちですが、金銭を脅し取る行為は明確な犯罪です。早期に弁護士が介入することで、相手方の行動を止め、被害の拡大を防ぐことが可能です。一人で抱え込まず、できるだけ早くご相談ください。

6. よくあるご質問

Q. 妻にバレずに解決できますか?

弁護士には守秘義務があり、ご家族への通知は一切行いません。相手方との連絡もすべて弁護士が窓口となりますので、ご自宅への連絡等が行われるリスクを大幅に低減できます。

Q. 既にお金を払ってしまいましたが、取り戻せますか?

恐喝による金銭の支払いは、不法行為に基づく損害賠償請求(違法な行為によって被った損害を賠償させる請求)や不当利得返還請求(法律上の根拠なく得た利益を返還させる請求)の対象となり得ます。ただし、相手方の特定や回収可能性などの問題がありますので、具体的な見通しについては個別にご相談ください。

Q. 警察に相談すべきですか?

警察への相談も有効ですが、美人局のケースでは「民事不介入」(当事者間の金銭問題には介入しないという方針)として積極的に動いてもらえないこともあります。弁護士に依頼すれば、民事上の対応(内容証明・交渉)と刑事上の対応(告訴状作成)の両方を並行して検討できます。

Q. 相手が誰か分からないのですが、依頼できますか?

LINE等のやり取りから相手方を特定できる場合もあります。まずは、お手元にある情報(LINE画面、電話番号、店舗名など)をご持参の上ご相談ください。

Q. 会社や職場にバラすと言われています。

「職場に連絡する」という脅しも脅迫罪に該当し得ます。弁護士が介入することで、そのような行為自体が犯罪であることを相手に認識させ、実行を抑止できます。

秘密厳守・プライバシー保護

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